水曜日は、つれあいと鎌倉に行ってきた。
妊娠してから、海に行きたくて仕方がなかった。
私は海なし県で生まれ育ったのだけれど、子どもの頃は本当によく海に行った。
いつから、海に行かないのがあたりまえになってしまったのか。
とにかく、海に行くのだ!
一番手ごろという理由で、鎌倉に行くことにしたのだ。
鎌倉駅に降りると、風が気持ちいい。
「海からの風だ~。」
と、嬉しくなる。
時間はもうお昼過ぎ。
予定では、雑誌に載っていた「サザエの炊き込みご飯」のお店に寄るつもりだった。
ところが・・・お店がやっていない。
早速計画が頓挫し、しばし呆然となる。
仕方がないので、そのまま由比ガ浜に向かった。
着いた・・・!
海の匂い。なつかしい。
でもお腹がペコペコだったので、まずは海岸前のカフェでごはんを食べることにした。
入ったカフェ「麻心」ではどの席からも海が見えた。麻料理のお店だ。
つれあいは麻カレーを頼み、私は麻定食を頼んだ。
注文してから料理が来るまでずいぶん時間がかかったけど、
好きなだけ海を眺めることができた。
カレーも定食も家のご飯みたいに、ほっとする味だった。
それからチャイと麻パウンドケーキ、麻クッキーを頼んだ。
やっぱり来るまで時間がかかったので、好きなだけのんびりした。
お腹一杯になって店を出た。
店の前の道路を渡れば、もう砂浜だ。
さっそく靴を脱ぐ。
久しぶりの砂の感触。気持ちがいい。
波打ち際まで行って、海の水に足を浸した。
「ああ、海に来たんだ。」
体の中にたまっていたものが、足の裏から流れていく。
体が、海とつながる。
この海は、子どもの頃行った千葉の海にも、竹富島の海にもつながっている。
海は、ひとつだ。
お腹の子どもに話しかけた。
「結、海だよ。」
それから、持ってきた手ぬぐいで足を拭いて、海を後にした。
もうひとつ、行きたかった場所がある。
鎌倉の由比ガ浜に行くと決めたとき、地図に載っていた甘縄明神宮。
ガイドブックにも載っていないし、行ったこともなかった。
でもなぜか「ここに行く。」と決めていた。
観光客でにぎわっている長谷寺のそばを素通りして、甘縄明神宮へ向かった。
小高い山の上に、それはあった。
妊娠九ヶ月のバランスの悪い体で、慎重に階段を上る。
上りきったところに、神宮があった。
でも、ここには神様はいない。神様は、その後ろの山にいる。
神宮は、山にいる神様を観光客から守るように、ひっそり建っていた。
地元の人は、ここに神様がいることを知っていて、ちゃんと守っているんだな、
と嬉しくなった。
神様に挨拶してから振り返ると、さっきまでいた海が見渡せた。
この山とあの海も、つながっている。
そう感じた。
「海を守るには、山を、森を守らなければならない。」
知識としては、とっくに知っているつもりになっていたこと。
でもそれを感じるために、ここに来たんだ。
正木高志さんが「木を植えましょう」と歌っていたことの意味が、
初めて私の中で、つながった。
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